
新幹線を含む鉄道は、列車運行指令、旅客指令、業務指令等の業務用の無線通信に併せて、公衆通信も行っています。
その他、全列車に搭載し緊急時に列車を停止させる防護無線もあります。また、地震等の災害に対応するシステム、事故、通常の保守業務にも無線通信システムが使われています。
公衆通信以外の列車無線はこちら
(新幹線システム例)

略 史
昭和28年 6月(1953) |
南海電鉄(株)列車運行司令用に導入 |
昭和32年(1957) |
近鉄特急に初めて列車無線を導入(誘導方式) |
昭和35年(1960) |
日本国有鉄道 マイクロ回線網整備 |
昭和35年(1960) |
東海道線、ビジネス特急こだま、つばめに400MHz帯業務用及び公衆電話を導入 |
昭和39年(1964) |
東海道新幹線(400MHz帯)に導入 |
昭和57年(1982) |
新幹線に漏洩同軸ケーブル(LCX)方式を導入 |
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新幹線の列車公衆電話には、LCXケーブルを使用した通信方式が使われています。LCXケーブルを用いた通信方式のメリットは、空間波方式のように周囲の空間に電波を放射したり、周囲の電波を受信しないので、混信妨害の恐れがなく効率的な回線設計が可能になることです。
LCXケーブルとは、Leakage Coaxial Cableの略で、日本語では漏洩同軸ケーブルといいます。次のような形状と性能を持っています。
同軸ケーブルは、大部分が電気的にシールド(遮蔽)されているので、外来ノイズにも強いという特徴があります。また、シールド部分に開けた細いスリット(隙間)から電波を漏洩させることにより、外部と電波の送受信を行います。
漏洩電波は弱いので、LCXケーブルの周辺5〜60m程度内にあるアンテナとの通信に限られます。
LCXケーブルは、使用する周波数帯により太さが異なります。
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LCXケーブルの種類
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列車の上に設置したアンテナ |
列車上に設置した電話機 |
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